The dawn 第11話

 

 神団との衝突から数日が過ぎたが、再び戦になるような事はなかった。今日は悪魔の出没もなく、皆が思い思いに過ごしている。特に、訓練の終わった午後は全員が自由時間だ。街へと繰り出す者、宿舎で休む者、様々。

 そして庭の片隅で――何処から集まってきたのか、何匹もの猫に囲まれて幸せそうに眠っているシオネリーゼ。それを見つけて、ブレイズは隣に腰を下ろす。

 彼女に触れる訳でもなく、ただこうして見ているだけでいい――ダンテ当たりに笑われるだろうが、構わなかった。

「にゃー」

 目が覚めたらしい猫を撫でてやる。

「にゃ!?」

 しかしその猫はブレイズの後ろを見て、逃げてしまった。何だろうと振り向いてみると――いた。此方を見ている男と、ブレイズの目が合う。

「……あの」

 何か用があるのかもしれないと思って、声を掛けてみるが……その不審者は逃げ出した。怪しい、怪しすぎる。

 約30秒後、その男はあっけなく捕えられた。

 

 不審者を見て驚いたのは、偶然通りかかったシャルトとフェルゼンだった。

「何故貴方のような人がこんな所に?」

 二人はこの男の事を知っているようなので尋ねてみる。

「知り合いなのですか? 一体如何いう方なのでしょう」

 告げられた不審者の正体は、ブレイズを驚愕させた。

「東の帝国の皇帝だ」

 大陸の東の約半分を治める、ノルドレイス帝国。聖女の力無しでも悪魔を退け一帯を平定した、神聖皇帝クリストファー。伝説的な人物だ。

「そうはみえないのだぁぅ」

「うん、見えないね」

 ウサギたちは素直だ、此処が帝国ならば処刑ものだろう。

「煩い、今日は皇帝としてではなく父親として来てんだよ」

「父親として?」

 柄の悪い神聖皇帝は頷いた。

「ああ、シオネリーゼは俺の娘だ」

 

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