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勇んでサティアの森を出たはよいが、セレストは途方に暮れていた。
「海の底って……如何やって行けばいいんだろう?」
流石にルシファーの加護とて窒息は免れないだろう。
森と領地を接する地域は、流氷が見られる。取り敢えずセレストは大きい氷に乗ってみたが、バランスが取れないで転んだ。
「いたた……」
「おい、何してるんだ」
そんなセレストに声を掛けたのは、アザラシのような生物達だった。氷の上に寝そべってセレストを笑う。尾や鰭が透明で、より神秘的な生き物だ。
如何やら彼らは嫉妬の魔王ではなくサティアの方に属するらしい。
「嫉妬の魔王に逢いに行きたいんだ」
「でもお前、海に潜れるヤツじゃないよな」
「うん……だから、如何したらいいんだろうかなって」
アザラシ達は背中を逸らし……いや、胸を張って教えてくれた。
「簡単さ、人魚に助けて貰えばいい」
如何やら潜る術を持たない悪魔達は、人魚の作り出す泡の中に入れてもらうらしい。
「あっちの入江にいるよ、ただし歌には気をつけな」
「有難う」