今日も、アイツと逢う事は出来なかった。調べてくれた仲間が言うには――もう、この街にはいないらしい。
ならばこんな所にいる意味はない。
街を出よう――思い続けるにしても忘れるにしても、少なくとも居続けるよりはマシだろうから。
俺もまた、アイツの名前を知らないけれど、今は。
行った先で巡り会う事を、祈る。届ける相手は神ではないけれど。
nocturne~夜想曲~ 2冊目